技術コラム
2部品の高精度嵌め合いのための形状提案

今回の記事では、高精度嵌め合いを実現する技術提案事例をご紹介します。
VA・VE提案事例:2部品間の高精度嵌め合いのための形状提案
本事例のように、シャフトとローラーの2部品間で高精度嵌め合いが求められる場合があります。2部品間の高精度嵌め合いでは、シャフト側を加工した時のバイト刃先(ノーズR)が精度に影響を及ぼすことがあり、形状の工夫が求められます。

2部品の高精度嵌め合いには、①「シャフト側にヌスミ加工を施す」②「嵌め合い部ローラー側に面取りを施して、シャフト側に残るR形状に対応する」といった対策ができます。


ただし、この対策には注意点があります。
今回の2部品の嵌め合いの場合、一般的な量産品の組み立て手順としては下記になります。
①シャフトはボディ側に固定されており
②シャフトにローラーを挿入
③汎用の抜き止めデバイスにて固定
この場合、ローラーがサービスパーツとなります。つまり、ローラーに品番が付与され、交換部品として、市場に流れます。ローラーに仮に故障や不具合があった時にはサービスパーツとして市場にて交換されることとなります。
一方、シャフトについては量産開始後に設計変更を施す場合、市場サービスパーツとの取り付け可否を考慮する必要があります。ローラーにC面がついているかなど事前に確認することも重要なポイントとなります。
以上のことから、量産1号機からローラーにC面が付与されていると、量産開始後の設計変更に、柔軟に対応することが可能となります。
いかがでしたでしょうか。旋盤・旋削加工コストダウンセンター.comを運営する矢田製作所では、単に旋盤加工を行うのみならず、量産を考慮したVA/VE提案も可能です。高精度加工の委託先にお困りの皆様、まずは一度当社にご相談ください。