技術コラム
ガンドリル加工とは?ガンドリル加工は当社にお任せ!
ガンドリル加工は、もともとはピストルやライフルといった銃の銃身の穴をあけるための加工法でしたが、現代では高い精度が求められるシリンダーやシャフト、スピンドルといった機械部品の加工に使用されています。
ガンドリル加工とは
ガンドリル加工とは、ガンドリルと呼ばれる特殊な深穴加工用ドリルを使用する加工法です。ガンドリル加工は、深穴加工の一種であり、一般的には、φ30mm程度の小径穴を開ける加工を指します。また加工条件によっては、L/D比100を超える深さでも加工することが可能です。ガンドリル加工の最大の特長は、工具のたわみや切り屑詰まりを抑えながら加工できることです。最近では、CNC制御などを用いて、自動車、航空宇宙、医療機器など精密部品の加工にも用いられています。
ガンドリル加工の仕組み
ガンドリルの構造は、通常のドリルと異なります。ガンドリルは、工具内部を貫通する内部冷却穴と、シャンク部の外周に加工されたV字型の溝が特長です。
ガンドリル加工は、次のような流れです。
①高圧の切削油(クーラント)が工具内部の流路を通り、先端から噴射される
②切削脂が切削点を強力に冷却・潤滑する
③発生した切り屑は、この高圧クーラントの圧力によって、V字型の溝を通り、穴の外へと強制的に排出される
この仕組みにより、切り屑の詰まりがなくなり、工具を途中で引き戻すことなく、連続的な高速加工が可能になります。
ガンドリル加工のメリット
①高精度加工が可能
専用のガイドブッシュなどを用いて工具のブレを最小限に抑えるため、穴の曲がりが極めて少ない高精度な加工が可能です。
②リーマと同等以上の面粗度が得られる
工具の外周にあるパッドが穴の内面を押し固めるバニシング効果により、リーマを使った場合と同等以上の滑らかな面粗度が得られるため、後工程の仕上げ加工を省略できることもあります。
③高効率な加工が可能
ノンステップ加工方式により、通常のドリルで深穴加工を行う場合に比べ、およそ3倍〜5倍の速度で加工できます。
ガンドリル加工の材料と条件
加工可能な材料
炭素鋼や合金鋼、ステンレス、チタンなどの高硬度材・難削材でも高精度に加工できます。ほかにも、アルミニウム、銅といった非鉄金属や、樹脂まで、加工が可能です。
高品質を維持するポイント
高品質を維持するには、材料、穴径、深さに応じて、回転速度、送り速度、そしてクーラント圧力などの加工条件を最適化することが必要です。
ガンドリルを用いた加工事例
事例①:紡績機械用ニードルスピンドル

こちらは、紡績機械用のニードルスピンドルです。材料を切断して、ガンドリル加工を行った後、旋盤・旋削加工・高周波焼き入れ・研磨加工・メッキ加工といった手順で製作しています。一部の寸法精度±0.005を求められていたため、旋盤加工後に研磨加工まで実施することで、対応しています。
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事例②:紡績機械用スピンドル

こちらは、紡績機械用のスピンドル部品です。サイズは外形φ20×300mmとなります。当製品は旋盤・旋削加工にて外径を削り出した後、研削加工を行うことで、精度をクリアしています。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。旋盤・旋削加工コストダウンセンター.comを運営する矢田製作所では、ガンドリル加工を非常に得意としています。さらに、単に加工を行うのみならず、加工図面に対するVA/VEコストダウン提案も可能であり、量産部品のコストダウンを実現します。
ガンドリル加工の委託先にお困りの皆様、まずは一度当社にご相談ください。