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    技術コラム

    「鋼」の量産旋盤加工・旋削加工もお任せください

    加工で使用される「鋼」とは

    「鋼」は一般的に純粋な鉄に加え、炭素をはじめとする様々な元素を添加した鉄合金を指します。純鉄は非常に柔らかく、工業材料としては強度が不足するため、通常は炭素などの元素を添加することで、必要な強度や硬度、その他の特性を持たせた鋼として利用されます。例えば、自動車部品のように高い強度と耐摩耗性が求められる場合には、炭素含有量の多い鋼や、クロムやモリブデンなどの合金元素を含む特殊鋼が用いられます。一方、比較的精度を必要としない汎用部品などには、炭素含有量の少ない軟鋼が用いられることがあります。

    「鋼」の特徴

    鋼の旋盤加工の大きな特徴の一つは、その高い汎用性です。切削、穴あけ、ねじ切り、溝入れ、ローレット加工など、旋盤で可能なほとんどの加工に対応できるため、複雑な形状の部品を効率的に製造することが可能です。また、適切な切削条件や工具を選定することで、高い寸法精度と滑らかな表面粗さを実現できる点も、鋼の旋盤加工が広く採用される理由と言えます。

    さらに、鋼は熱処理によってその性質を大きく変化させることができます。例えば、焼入れによって硬度を高めたり、焼き戻しによって靭性を向上させたりすることが可能です。旋盤加工後の熱処理を考慮することで、最終製品に求められる機械的性質を満たすことができます。

    鋼の代表的な種類

    旋盤・旋削加工に使用される代表的な鋼の種類をご紹介します。

    SS材(例:SS400) SS材は一般構造用圧延鋼材の代表格であり、SS400はその汎用性の高さから旋盤加工でも多用されます。建築構造物から機械部品まで幅広く対応し、400MPa以上の引っ張り強度が保証されています。安価でありながら一定の強度を持つため、量産部品の材料としても経済的な選択肢となります。

    S-C材(例:S45C) S-C材は機械構造用炭素鋼に分類され、S45Cはその代表的な鋼種です。「S」はスチール、「C」は炭素を意味し、数字は炭素含有量を示します。S45Cは0.45%の炭素を含有し、優れた強度と適度な被削性を両立。旋盤加工においても扱いやすく、多様な機械部品に利用されています。

    SCM材(例:SCM435) SCM材はクロムモリブデン鋼とも呼ばれる機械構造用合金鋼です。「S」は鋼、「C」はクロム、「M」はモリブデンを表し、これらの添加元素により、炭素鋼に比べ高い強度、靭性、そして耐熱性を持ちます。SCM435は、自動車部品や航空機部品など、高い信頼性が求められる分野で旋盤加工された部品として活躍します。

    SUJ材(例:SUJ2) SUJ材は高炭素クロム軸受鋼として知られ、特にSUJ2はその代表的な鋼種です。旋盤加工においても優れた被削性を発揮し、高い硬度と耐摩耗性から、ベアリングをはじめとする精密部品の製造に適しています。寸法精度が要求される用途において、その特性が最大限に活かされます。

    SK材(例:SK5) SK材は炭素工具鋼であり、SK5はその代表的な鋼種の一つです。高い硬度と耐摩耗性を持ち、主に工具や刃物などに用いられます。約0.5%の炭素を含み、焼入れ処理によってさらに硬度を高めることが可能です。旋盤加工においては、適切な工具選定と切削条件が重要となります。

    鋼の旋盤加工における注意点

    鋼の旋盤加工における主な注意点について解説します。

    適切な切削条件の選定: 鋼の種類や硬度、求められる加工精度、表面粗さなどに応じて、切削速度、送り、切込み量を適切に設定することが重要です。不適切な切削条件は、工具の早期摩耗、ビビリの発生、加工精度の低下などを引き起こす可能性があります。一般的に、硬度の高い材料や精密な加工が求められる場合は、低い切削速度と送りを選択し、剛性の高い機械を使用することが望ましいです。

    適切な工具の選定: 加工する鋼の種類や形状、加工内容に合わせて、適切な材質、形状、コーティングの切削工具を選定する必要があります。例えば、高炭素鋼や合金鋼などの硬い材料を加工する場合は、超硬合金製の工具や、耐摩耗性に優れたPVDコーティングが施された工具が適しています。また、ステンレス鋼のように加工硬化しやすい材料を加工する場合は、ポジティブなすくい角を持つ工具や、耐溶着性に優れたコーティングが有効です。

    切削油の適切な使用: 切削油は、切削時の摩擦熱を冷却し、切りくずの排出を促進し、工具の寿命を延ばす重要な役割を果たします。鋼の旋盤加工においては、水溶性切削油や油性切削油が一般的に用いられますが、加工する材料や加工内容によって最適な種類を選択する必要があります。また、切削油の供給方法や流量も、加工の安定性や精度に影響を与えるため、適切に管理することが重要です。

    切りくず処理: 鋼の旋盤加工では、連続した切りくずが発生しやすい場合があります。絡み付いた切りくずは、加工精度を低下させたり、工具やワークに損傷を与えたりする可能性があるため、適切な切りくず処理対策が必要です。切りくずブレーカ付きの工具を使用したり、適切な切削条件を設定したりすることで、細かく分断された切りくずを生成することが重要です。

    ビビリ対策: 旋盤加工中に発生する振動(ビビリ)は、加工面の粗れや精度不良の原因となります。ビビリを抑制するためには、工作機械の剛性を高める、ワークのクランプを確実に行う、適切な切削条件を選定する、防振対策を施した工具を使用するなどの対策が必要です。

    熱処理後の加工: 熱処理によって硬化した鋼を旋盤加工する場合、非常に高い硬度と耐摩耗性を持つため、超硬合金やセラミックなどの高硬度材用の工具を使用する必要があります。また、仕上げ加工においては、研削加工を併用することで、より高い精度と滑らかな表面粗さを実現することができます。

    当社の鋼製の加工事例をご紹介

    ①自動車用シャフト

    材質S30のシャフト部品で、±0.01の高精度要求に対応するため、弊社ではCNC旋盤を専用機として活用しました。加工方法から検討し、お客様のご要望を満たす精密加工を実現しました。

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    ②産業機械用高精度部品

    繊維機械向け高精度部品の加工事例です。穴加工はマシニングセンタ、外径加工は旋盤にて実施。厳しい精度要求に対し、最適な加工条件を設定することでクリアしています。
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    ③産業用機械カバー

    本事例は産業機械用カバーの加工事例です。バー材の切断から旋盤加工までを弊社内で行い、さらに黒染め処理まで一貫して対応いたしました。当社では、旋盤加工に加え、研削、表面処理、測定まで自社内で完結し、品質の高い部品をスピーディーに提供することが可能です。

    産業機械用カバー_旋盤・旋削加工コストダウンセンター.com

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    鋼の旋盤加工のことなら、旋盤加工コストダウンセンター.comにお任せください!

    いかがでしたでしょうか。旋盤・旋削加工コストダウンセンター.comを運営する矢田製作所では、鋼の旋盤・旋削加工を非常に得意としています。さらに、単に旋盤加工を行うのみならず、加工図面に対するVA/VEコストダウン提案も可能であり、量産のコストダウンを実現します。

    旋盤加工の委託先にお困りの皆様、まずは一度当社にご相談ください。